具体と抽象
具体と抽象
著者:細谷 功
ビジネス本のベストセラーを1分で要約します
著者の細谷氏は東大工学部を卒業後
コンサルタント会社で研鑽を積んだ方とのこと
要約
現在抽象的な言葉より具体的な言葉のほうが好まれる時代である
だが具体と抽象の往復こそが重要なスキルなのだと筆者は説明する
抽象化思考というのは具体的な事柄から本質的な性質を見抜くことである
そして具体と抽象において重要なことは2つある
1. 思考力に優れている人は具体→抽象化→具体の往復が得意
何かの課題にぶつかったとき、その物事の本質を見抜こうとする
そのうえで同じ性質を持つ解決策で別軸で解決アプローチを行う
これは具体(課題)→抽象化(本質)→具体(解決策)の
往復を行った上での思考である
2. 抽象的思考ができる人は具体事例で説明ができるが、その逆はない
抽象化思考ができない人が具体事例を用いた説明はできない
なぜなら相手に寄り添った説明をするためには
その物事の性質をとらえ、同様の性質を持つ別事例を
探す必要がある
抽象化思考ができない人は物事の性質を捉えることができず
ピンボケした説明になってしまう
上記のことから抽象化のスキルを身につけましょうというお話でした
余談
本の中でとある数学者/哲学者の名言が引用されています
「今日はあまり時間がなく、手紙が長くなってしまいました」
(ブレーズ・パスカル)
まさにこれこそ抽象化の難しさを体現した一言です
私も何かを要約する・短く説明するということに
常日頃から苦労しています…
絶対音感と相対音感という言葉を聞いたことがありますか?
実はあれも具体と抽象の一例です
皆さんどんな音で始めてもドレミの歌を歌えると思います
これが相対音感です
生まれたての赤ちゃんは全員絶対音感を持っているという説があるそうです
そこから抽象化していって相対音感になるとのこと
音楽の世界では絶対音感を持っていたほうが有利といわれています
そういう意味では抽象よりも具体の方が力を持つ
珍しい世界なのかもしれませんね